庚申信仰は、古代中国の道教の信仰で、わが国へは古く奈良時代に伝わり、江戸時代に一般化した。天帝(最高神)が、各人の体内に巣食う三尸(さんし)という虫に命じて、その人の是非善悪を庚申の日の夜に報告させ、賞罰を与えられるので、その夜は寝ないで、三尸の昇天を止めようとする習俗であったが、わが国へ入ってから、仏教では青面金剛、神道では猿田彦神と習合して、旅行中の安全、家業繁栄の守り神として、路傍にまつられることが多い。