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浦島太郎伝説 |
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太郎は浦之嶋(東大高)に生まれた。
浜辺で子どもたちにいたずらされている亀を助け、蓬莱(竜宮城)に案内される。 竜宮城でもてなしを受けること三年、あけずの箱を手みやげに帰郷した。竜宮城での三年間は、この世では数百年を経ていた。うめきが浜(美浜町布土)で、あけずの箱を開け白い煙とともに太郎はたちまち白髪の老人となった。
太郎は、知里付神社に「あけずの箱」を献納し、亀の鬼瓦を上げた。里人は太郎を敬い知里付神社境内に浦島社を祀(まつ)った。 |
竜宮神社
竜宮城より帰郷した太郎が乙姫を偲(しの)んで、825年(天長2年)7月に建立しました。 |
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乙姫橋 |
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竜宮城へ向う太郎を乙姫が出迎えた場所といわれています。 |
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負亀の松 |
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太郎が助けた亀が住んでいた所。昔、この辺りは白砂の海岸で、浜辺には松が生い茂っていたそうです。また、負亀(おぶがめ)は富貴(ふき)の地名の古名ともいわれています。 |
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浦島橋 |
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太郎はこの下を流れる浦島川に沿って、亀と共に竜宮城に向かいました。 |
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四季咲きカキツバタ |
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弘法大師がこの地を訪れたとき、ここが浦島太郎誕生の地であると認め、記念にカキツバタを植えました。それが四季咲きとなり、年中花が咲き乱れていたそうです。現在は、石碑のみが残っています。
※私有地のため敷地内への立入りはご遠慮ください。 |
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知里付神社・浦島社 |
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太郎が竜宮城から持ち帰った玉手箱があります。「あけずの箱」といわれ大切に保管されています(非公開)。また境内には浦島社も祀(まつ)られています。 |
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真楽寺 |
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建立:1570年(元亀元年)。境内に、太郎の助けた亀のお墓があります。 |
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小桜姫伝説 |
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小桜姫は京都の宮中の姫君で、公家の藤原氏と将来を誓う仲であった。
ある日、帝の夢に国の安穏のため小桜姫を岡崎の築山稲荷の尼にせよとお告げがあった。姫は帝の命に背き、二人は意を決し京より、富貴の里まで落ち延びた。途中、姫は病の身となってしまう。二人は里人の下に身を潜めていたが、追っ手により藤原氏はついに富貴城の堀端で最後を遂げた。
病の身であった姫も里での療養の間に藤原氏の後を追い亡くなってしまった。里人は悲しみ、姫をねんごろに葬り塚をつくった。しばらくの間、雨の降る夜に塚より富貴城へ火の玉が向ったという。その後、この塚を参ると願いがかなうとして小桜稲荷となる。 |
小桜稲荷
小桜姫の霊を弔(とむら)った塚のあった所といわれています。小桜姫伝説ゆかりの稲荷です。 |
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白山社(富貴城址) |
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富貴城は、室町時代後期に長尾村の長尾城主「岩田氏」が築城。戸田氏(河和)からの侵入に備えた支城でした。
戦国時代に入り岩田氏が衰退し、戸田氏の配下になり、戸田法雲が城主となりました。
戦国時代の中期には、織田・水野軍により灰じん落城しました。白山社は寛文以降享保年間までに、円観寺境内より富貴城本丸跡とされる現在の場所へ移築されました。 |
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竜女の恋伝説 |
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大足村豊石神社のお祭りは、火がたかれ、時折、花火が打ち上げられていた。
若者たちは、勇ましく、そろいの法被姿で、笛を吹き、太鼓をたたき、踊を舞い盛りあがっていた。いつの間にか、見慣れない娘が一人、見物人からすこし離れて、じっと踊りを見つめている。娘の美しさについにお囃子は鳴り止み若者たちは娘の様子を伺った。 |
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自分に気付いたことがわかると娘はするりと身をひるがえし、暗闇の中に姿を消してしまった。
そのころ砂浜では、家老のひとり息子「作之進」が、祭りの賑わいから離れ、一人じっと海を見つめて立っていた。
作之進が暗い海を見つめて立っていたとき、人影が横をかすめて、海へ身を躍らせようとした。 作之進はとっさに、身投げと感じ思わず駆け寄って、後ろからその影を抱きかかえた。その影はこの世のものとは思えぬ美しい娘であった。
「私は、作之進というものである。深い事情もあろうかと思うが、案ずることはない。わが屋でしばらく休むがよい…。」
娘は「小夜衣(サヨギヌ)」と名付けられ、奥方付きの世話人として召し使われることになった。
次第に、作之進と小夜衣は、互いに意識し、恋いこがれるようになっていった。
息子の様子に気づいた奥方はある日、作之進の思いを小夜衣に知らせた。
小夜衣は、「お気持ちは本当にうれしく存じます。わたしも、若様をお慕いいたしております。でも…、しばらくお待ちくださいませ。」というばかり。
その夜、小夜衣はそっと屋敷を抜け出し、思い出の浜辺へ出かけていった。 海は暗く沈んでいた。「さあ、早く帰っておいで!」 海の中から、小夜衣を呼ぶ声が。小夜衣は竜の娘の化身であった。
「さあ!早く帰っておいで…。」海の中の父と母の声は、必死に呼び続けている。
しかし、小夜衣は、意を決し、屋敷に引き返そうとするとそのとき、突然黒雲が湧きあがり、目もくらむばかりの稲妻と共に、激しい雷鳴がとどろき渡った。
村は突然の天変に大騒ぎとなった。屋敷では作之進が不吉な胸騒ぎを覚えて、浜辺へ向かうとそこで、波打ち際に横たわる小夜衣の冷たいむくろを見つけた。
嵐はうそのように治まって海は暗く潮騒の音を響かせていた。
大足区ではこの竜女の悲恋物語にちなみ、毎年7月、山車の上で竿先の竜の頭に見立てた口から火の粉が吹き出し竜が舞う、蛇ノ口花火が奉納されている。
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